今回の定額減税は、年金生活者にとって非常にわかりにくいですね。
年金振込通知書を見ても天引きされる所得税がゼロとなっているだけです。
いくら減税されているか、さっぱりわかりません。
おまけに、減税しきれない人は、まだ今年の所得が確定しない夏に調整給付金が支給されます。
そして、所得が確定する来年に、不足する人に追加給付金が支給されます。
そこで、我が家(年金夫婦)の場合、いつ・いくら減税・給付されるかを計算しグラフ化しました。
これで、ようやく、定額減税のモヤモヤが晴れ、頭がスッキリしました。
定額減税とは
令和6年分の所得税及び令和6年度分の個人住民税が減税されますが、減税額に上限があります。
年金から源泉徴収される所得税も対象です。減税しきれない場合、調整給付金が支給されます。
→ 詳細は、日本年金機構の『公的年金から源泉徴収される所得税等の定額減税』をご覧ください。
我が家は、妻の昨年の合計所得が48万円を超えるため、同一生計配偶者や控除対象配偶者に該当しません。
我が家の定額減税の全体像が明らかに
これらのグラフは簡単には作成できませんでした。
色々な書類から減税額や給付額を独自に計算する必要がありました。
詳細な計算については、本記事の後半で説明します。
1. 我が家(年金夫婦)の定額減税の総額
私(夫)と妻の定額減税額は同じです。所得税が3万円、住民税が1万円です。
2. 夫(私)の定額減税の時期と額
夫(私)の定額減税額(所得税+住民税)は、2024年9月が一番多く約1.3万円、次に多いのが2025年に追加給付される予定の1万円です。これ以外の月は0円〜約4,000円となっています。4万円の減税をこれだけ分散されるとありがたみが薄れます。4万円一括給付の方がわかりやすいですね。
3. 妻の定額減税の時期と額
妻の定額減税は、9月に調整給付金として全額4万円が支給されます。ひと月で支給が終わるのでありがたいですね。
4. 年金夫婦の定額減税の時期と額
年金夫婦の定額減税をまとめたグラフです。妻は9月に4万円を一括給付されますが、私(夫)は少額で分散して減税・給付されることがわかります。妻が一括給付される理由は、所得税0円と住民税5,000円以下のためです。
グラフの元データを説明
我が家(年金夫婦)の定額減税額のグラフの元になったデータです。
夫 | 妻 | ||
定額減税 | 所得税 | (A) 3万円 | (C) 3万円 |
住民税 | (B) 1万円 | (C) 1万円 |
(A) 夫の所得税の減税時期と減税額
夫(私)の所得税の減税時期と減税額のデータです。私の場合、年金から天引きされる所得税だけでは3万円を減税できません。このため、減税できない分は給付金として支給されます。
時期 | 年金振込通知書 | 減税額・給付額 | 減税方法 | |
2024年 | 6月 | 0 円 | 4,272 円 (計算値) | 年金天引きから減額 (注1) |
8月 | 0 円 | 2,643 円 (計算値) | 年金天引きから減額 (注1) | |
9月 | — | 10,000 円 (当初給付) | 調整給付金(注2)が預金口座に振り込まれる | |
10月 | 0 円 | 2,638 円 (計算値) | 年金天引きから減額 (注1) | |
12月 | 0 円 | 2,638 円 (計算値) | 年金天引きから減額 (注1) | |
2025年 | 未定 | — | 予想 10,000 円 (追加給付) | 2024年の所得が確定すれば、追加給付が予想されます (注3) |
合計額 | 32,191 円 | 合計は切上げ分増えます |
注1. 年金振込通知書の年金天引きの所得税の欄は、定額減税により『0円』と記載されています。私が作成した年金の所得税計算表を使えば実際の減税額がわかります。天引きされる介護保険料は8月以降変更されます。私の場合、14,600円が12,500円に変更されました。
注2. 夫(私)の調整給付金は10,000円です。
注3. 今年(2024年、令和6年)の夫(私)の年金収入は、加給年金がなくなり39万円減りますので、令和6年の所得税は令和5年ベースで推算された20,650円ではなく、約11,000円と予想計算できます。そのため、来年、不足の10,000円が追加で給付されると予想しています。
(B) 夫の住民税の減税時期と減税額詳細
夫(私)の住民税の減税時期と減税額のデータです。夫(私)の令和6年度の住民税は56,700円です。今回の定額減税により、1万円減額された46,700円が7月から来年2月までの5回に分けて徴収されます。減税される1万円を5回に割り振りました。
時期 | 住民税 (J) | 減税額 (割振り額) 10,000 x (J) ÷ 46,700 | 減税方法 | |
2024年 | 7月 | 4,900円 | 1,049 円 | 普通徴収から減額 (注4) |
9月 | 13,000 円 | 2,783 円 | 普通徴収から減額 (注4) | |
10月 | 9,600 円 | 2,056 円 | 年金天引きから減額 (注4) | |
12月 | 9,600 円 | 2,056 円 | 年金天引きから減額 (注4) | |
2025年 | 2月 | 9,600 円 | 2,056 円 | 年金天引きから減額 (注4) |
合計額 | 46,700 円 (17,900円 + 28,800円) | 10,000 円 |
注 4. 住民税の減税額は、10,000円を各時期に支払う税額の比率で配分しました。例:10,000円 X 4,900÷(17,900+28,800) = 1,049円
(C) 妻の所得税と住民税の減税・給付の時期と金額詳細
妻の今年の推計所得税は0円、減税できない額は30,000円です。
妻の今年の確定した住民税の所得割は3,200円、減税できない額は6,800円です。
これらの減税できない額の合計36,800円を切り上げた40,000円が、9月に調整給付金として妻の銀行口座に振り込まれます。
時期 | 減税できない額 | 調整給付額 | 給付方法 | |
2024年 | 9月 | 所得税 30,000 円 住民税 6,800 円 合計 36,800 円 | 所得税 30,000 円 住民税 10,000 円 合計 40,000 円 | 調整給付金が銀行口座に振り込まれる |
こちらは、2024年8月に妻宛に市役所から届いた『定額減税補足給付金 (当初調整給付)支給要件確認書』の抜粋です。
こちらは、2024年6月に妻宛に市役所から届いた『令和6年度 住民税通知書』です。
まとめ
定額減税がわからない!一括給付なら何も考えなくて良かったですね。
今回、我が家の場合を例として、いつ、いくら減税・給付されるのかを計算しグラフ化できました。
定額減税の実態がわからず、モヤモヤしていたのですが、スッキリしました。